最近のマレーシアの農業事情
ども、インドに2/1から行くのですが、その次はマレーシアに行く予定です。ということでマレーシアの、特に農業事情やagtechのことを調べてみました。
マレーシアって?
人口は約3000万人、首都はクアラルンプール。名目GDPは5%前後でASEAN諸国では中間くらい。1人当たりの名目GDPは25,638ドル(2014年, 世界銀行)でASEANではシンガポールについで2位の水準。
言語はマレー語、英語。民族は多民族国家で、マレー系、中国系、インド系の順に多い。宗教はイスラム教が60%、次に仏教20%、キリスト教9%、ヒンズー教6%。政体は立憲君主制。
その他基本的な事項は以下でどうぞ。
新品価格 |
マレーシアの農業事情
マレーシアは元々資源が豊富で、天然ガスや原油の輸出が盛んです。農業の分野でもパーム油の輸出量は現在も世界屈指だそうです。 国内総生産における農業の割合は、約9%(*1)とASEAN諸国では低めですし、農村人口もASEAN諸国の中では唯一減少に転じていますが、恵まれた資源を背景に工業化してきたおかげで、アジアの中でも有数の投資環境となり、農業の分野においても他国と協力し高度化を図っているようです。
参考:
農林金融2014年12月号 より、以下画像参照。
土地生産性: 農業生産額÷農業用地面積
労働生産性: 農業生産額÷農業従事者数
これらの状況を見ると、農業の生産額はそれほどないかもしれませんが、高度化という面では他のASEAN諸国よりもかなり進んでいると思われます。
一方で、国内食料自給率を品目別に見てみると、鳥肉や魚介類の受給率は100%なのに対して、コメは70%、野菜は66%、果物は40%程度と、自給率はまだまだ良くはないです。しかもマレーシアの人口の60%を占めるイスラム教徒はハラール食を食べると思われるので、その辺も考慮すると、より自給率を上げていく必要がありそうですね。
参考:
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/k_syokuryo/h23/pdf/asia03.pdf
AEC(ASEAN経済共同体)(*2)による農業への影響
2013年時点の記事内にて、テンク・アリフ氏(マレーシア農業研究開発研究所経済技術管理研究センター長)によると、
ASEAN域内の農産物貿易では,マレーシアは既に92%の品目で,関税を撤廃していて,現在でも保護されているのは,コメ,アルコール類,タバコなどの限られた品目です。
また、
ASEAN域内の関税はすでに撤廃されていることや,非関税障壁と行政手続きによる事実上の保護政策が存在していることを考慮すると,AECがマレーシア農業に与える影響は,あまりないと考えられます。農業部門に限らないAECの全体的な影響としては,自由化による全般的な経済厚生の増加と海外からの直接投資の増加が期待されます。
とのことで、マレーシアでは国内の農産業に与える影響は少なく、むしろ海外からの投資が集まり農業分野においても高度化の好機になると思われます。
先進的な取り組みを行っている農家・企業
techなところはなかなか探せず...とりあえず調べた分だけリストしてみます。
ハッピーフレッシュ... お野菜の速達サービス
シリーズAに参加したファンドに、500startupがいたり、日本のファンドBEENEXTがいたり、注目度は高いようです。→ agFundernews
TITI ECO FARM... いわゆるエコツーリズム。宿と、農業体験、有機野菜やオーガニック商品の販売をしているようです。サイトがとても綺麗です。
ZENXIN... オーガニックフードを中心に6次産業的に事業を展開している企業。各国のオーガニック認証も受けているようです。サイトが充実していてありがたいです。
以上です。
*2) AECというのは、ASEANが掲げる3つの共同体(安全保障共同体、経済共同体、社会・文化共同体)のうちの1つです。2015年の12月31日をもって発足しました。AECでは、ASEAN域内での物品の自由な移動、サービス貿易の自由化、投資の自由化、資本の自由な移動、熟練労働者の自由な移動等がうたわれています。2009年に各共同体のロードマップが制定され、そのうち経済共同体に関しては以下のように記述されています。via 経済産業省: 東アジア統合に向けて