最近決めかねていること
めっさ久々に投稿..。ちょと最近どうしようかなと思ってることを、こちらに書いてみます (誰か意見くれるとうれしい..)
何を決めかねているかと言うと、今後の進退です笑 ベトナムで事業(ヘルスケア関連)をするぞ、というのは決まってますが、そこに至るプロセスを検討してる感じです。
大きくは、
の2パターンかなぁと思ってて。
メリデメとしては、
1の場合:
- 関連事業の知識/経験が増えて、(汚い言い方だが)箔がつくので、仲間集めや資金調達などがしやすい(多分)
- お金が貯まる(少なくともベトナムにいるよりは)
- ただしその間に事業タイミングを逸する可能性がある
2の場合:
1の逆。プラス、現地で得られる情報やコネクションは明らかに多い。
かなぁと。
ちなみに、1.2の折衷案として理想的なのは、以下な流れかなと。
かなぁと。
実家のこととか、結婚そろそろだよな..とか、全然省いてますが、その辺も多少考慮しないとなとはおもってて。 ただ、優先度は今の所チャレンジより下なので一旦置いてます。
補足
なんでそんなにベトナムに固執してんの?日本でチャレンジしたらええやんとか思われるかもですが、日本よりはベトナムとか東南アジアの方が正直肌にあうし好きだなって思えてしまうんですよね...。 沖縄の血かなんなのかわからないですけど。
確かに、生活満足度の高い日本という国は最高ですし(政治はおいといて)、それなりに改善しなければいけない社会課題もありますけど、経済が弱るにつれて東南アジアに(主に労働力の面でかなぁ)依存することも今後より多くなるはずなので、今のうちに東南アジアに軸足をおいて先駆者利益を得られればなという気持ちです(その実力が自分にあるかはおいといて..)。
あとは、ベトナムに住んでて、街や人がどんどん発展してって先進国ぽくなってくのに寂しさを感じたり、ここは先進国のまねしちゃあかんよ、みたいなところを感じたりするので、そういった点を自分のもてる力でどうにかできればいいなぁと思ってる感じです。 好きな場所や人々を自分の好きな状態にしておきたい、というモチベーションですかね..。
あとあと、利用されないものを作るのはもうやなんですよね。"社会的に価値あるものを作る技術" を身に着けたいし、価値出したい。
反省
てか、この歳(35)になって人生設計の甘さを痛感してます。コロナにありがとうとは世間的に言えないですが、おかげで明確に考えるきっかけをもらえたのは事実ですね..。 はーどうしよう。とりあえず、7月いっぱいは日本にいますが、そっからはまじでノープラン。ヒャッハーすわ (今もベトナムでのチャレンジは遠隔からすすめてはいるけどね!)。
「今を生きる」て言葉をはき違えすぎ感。人生って難しいよね。
2019年上半期の振り返りと下半期の目標
もう今年も半分過ぎたので上半期の振り返りと下半期の目標をざっくり。 とりあえずやったこと/やっていることを殴り書きして、KPTする流れで。
上半期したこと
サービスクローズ
JellyTalkを3月にクローズ。人力サービスだったので、ほんとにご協力頂いた方々には感謝しかない...。
お仕事
お仕事としては、クライアントワークを3つほどこまごまと。引き合いは頂いたものの、案件化にはいたらなかったものや下期に発生する可能性もいくつか。上記JellyTalkのカスタマイズの引き合いも頂いたが、先方のニーズにうまくマッチせず案件化には至らず。
それと、個人開発に近い継続的な案件(DesignOps的なもの)をさせてもらっているのが1つ。
個人開発
完全な個人開発案件としては、いずれもリリースには至っていないものの、いくつか試してきた。1月 ~ 4月頃は、某アクセラレータに通って進めてたものが1つと、コンテンツ貯める系のものが1つ。いずれも現状はほぼサスペンド状態。5月はノリで東京にいき、知人らとコンテンツ貯める系プロジェクトを1つ始めた。6月に、たまたま見つけたハッカソンに参加し、ジム通いから着想を得たアイディアでなんとか入賞。現在も推進中。
プライベート
プライベートでは、スケボーを1月から始めたのと、4月中旬ごろからジム通いを始めた。ジムは週に2~3回のペース、スケボーは週に1回のペースで割と続いている。
あと、ハノイITもくもく会も3月から始めて、今でも続けている。
KPT
Keep
- ジムは健康な体を作るのに役立つはずなので続ける。健全な魂は健全な肉体から。
- スケボーは地味に続けて少しづつゴールに近づく感覚を養うのに良いし、問題点を自分なりに分析して修正して達成するっていうプロセスも楽しいし仕事にも活きそうなので続ける
- フリーランスにとってもくもく会は貴重な出会いの機会だし、朝の時間を有効に使えるのも良いので続ける
- たまにハッカソンやイベントにでるのは心的負担はあるけど、得るもののほうが大きいのでたまに出る
- 東京にいって知人にあったりイベントにでるのも自分を奮い立たせるのに最適だし、思いがけない案件にもつながるので続ける (東京に限らず)
Problem
- JellyTalkのカスタムは、ソースコードのメンテをストップしてる一方で、ソースコード中で利用してるマイクロサービス類やOSがどんどん進化してるので修正コストが高め。時間が経てば経つほどカスタムは厳しい。ただその時の知見は活かせるので部分的に再利用することは可能。
- 対外的な接点・実績 (リリース打てる受託案件や、個人開発でのリリース、ブログ発信など)がここ最近ほぼ皆無なので、社会から隔絶されている感が強まっている。自己肯定感が弱まり、陰キャ化が捗る。
- 個人開発はいくつか進めているものの、第三者に言われて辞めてたり、モチベ下がって自然消滅したりして、少なくともリリースまで持っていけてない。
問題深掘りとTry
一番の反省点は、やっぱり対外的な接点が少なく、且つアウトプットが少なすぎることかなと..。まずは人と接して役にたつことをする、そしてお仕事にしても、個人開発にしても、とりあえずリリースまで行く、技術的なトピックを発信する。などして大なり小なり社会の役にたつ。
そうでないとProblemにも書いたように、誰からも必要とされてない感覚に陥り全体的に自己肯定感が下がってモチベが低下する〜みたいな悪循環に陥っちゃう。なんていうか、他者貢献と自己肯定感のバランスが崩れた状態。社会的にうまく生きられてない的な。これを上手くコントロールできると、生活リズムが良くなってお仕事も個人開発もうまくまわりそう。
残念ながら何かが好きで好きでたまらない、それだけしてたら勝手にお金がついてきた、というタイプの人間でもなく(昔はそんな節もあったけど今は少なくともそうではない)、無尽蔵の自己肯定感(≒鋼のメンタル) を持ってるわけでもないので、このバランスは当面意識しないといけないなと思った。
具体的にじゃあどうするかですが、
- 人と接する
- 情報発信をする
- お仕事を受ける( or 続ける)
- 週に2,3日コミット可能なもの
- できれば外部公開が可能なもの
- 個人開発
- 下半期は少なくとも2つリリースする
というところかなと思った。1はとりあえずやりやすくて、東京にふらっと行ってみたり、もくもく会を開いてみたり、ハッカソンに出てみたりしてる。2から若干ハードルが高くて、2を飛ばして3でただ闇雲に案件を受けてしまうと、疲弊してしまい可処分時間がなくなったり、個人開発につながらない技術スタックを身に着けてしまったりするので、2から重要。2を頑張りつつ、同時に4を並行して、最終的に4が達成できれば個人的には満足。
頑張る。
ベトナムの片田舎でマイクロサービスなアプリを個人開発した話
個人開発 Advent Calendar 2018、23日目担当ミトログといいます。よろしくおねがいします。
のっけからいきなり他記事の参照で恐縮ですが、とても良い記事だとおもうので成功事例としてこちらをまずよんだほうがいいかも。
僕も自分の作ったプロダクトで食っていきたいと思い、結構な時間を使ってまずは作ってみたんですが全く使われないものを作ってしまいました..。 今回は、
- なぜ失敗してしまったのか
- 東南アジア圏の田舎はものすごく集中開発に向いている
- 開発面で使ったツールたち
という話をしたいと思います。だいぶ他のadvent記事からずれてますが気にしない。
あんた誰
その前に少し自己紹介。
ベトナムタイ沖縄を中心に東南アジアに生息するアプリ開発者(だけど最近はtypescript書くことが増えてる)。直近はベトナムで有機農業プロジェクト参画後2年のブランクからIT業復帰。ベトナム生活での苦労から通訳アプリを開発 http://jelly-talk.com 今は週3程でお仕事しつつ、東南アジアを中心に素敵なサービスとカルチャーを作るべく準備中。
個人開発したもの
海外(ベトナム)で困った時に、気軽に通訳者にオンラインでコールができ、通訳してもらえるアプリです(初回15分無料!!)。*1
全部自分1人で作ったわけはなく、多くのデザインや通訳者集めなどは相棒に頼み、ロゴやコール音、イラストなどは随時信頼できる友人やdribbleで探したりして集めました。 構想からリリースまではなんだかんだ半年かかっちゃいました。快く協力してくれたみんな*2には本当に感謝です。
なぜ作ったか
まず自分がほしかったからです。ベトナムのど田舎で農業プロジェクトをしていて、いつも現地ベトナム人とのコミュニケーションに困っていました。その場に通訳者はおらず、込み入ったことを話そうとすると、google翻訳もお手上げ状態でした。
そんな中いつも遠隔にいる通訳者に電話して通訳を依頼していました。それがとても助かっていました。でも、彼ら/彼女らにきちんと時間単位で報酬を渡せていない罪悪感もあり、どうにかできないかと相棒と一緒に考えて作ったのがこのアプリでした。
現状とどうして失敗したか
現状
DL数は、2018年3月のリリースから2018年12月時点で700程度。1000もいってません。 利用者は、たまにいたずら電話がかかる程度で、ほぼゼロ。*3
元々ベトナム語-日本語にしか対応していないのでそもそもの母数が少なく、ベトナムの各種メディアさんにも載せてもらったのですが、インプレッションこそあれど、無料でも利用する方は(こちらからテストを依頼した方以外は)ほとんどいませんでした。
毎月、約1.5万円の維持費だけが虚しく口座から引き落とされているという状況です。悲しい!
なぜ失敗したか
一言ではなかなかあわらしづらいところもありますが、自分が毎日使いたい/改善したいと思えるほど課題を感じていなかった ということが一番大きいかなと思います。
"言葉の壁" という課題は今の時代確実にあります。しかし、僕自身がそれにぶち当たる機会がとても少なくなってしまった...。ベトナムの田舎に住んでいる時は結構使う機会がありましたが、ハノイに移ってからは週に1回使う機会があればいい程度でした。最近はベトナムだけではなくタイや日本にいることもあり、課題が発生する機会が更に減ってしまいました。そうなると、いくら「こうした方がいい、こうだったらな」と考えてはいても、続ける意義を感じられなくなってしまいます。冒頭の記事でも、
同じ問題を抱えた人は一定数います。そこを心配する必要はありません。ただ、ニッチ製品は人々に見つかるまでに時間がかかります。Inkdropは最初の正式リリースから成長し始めるまでに一年かかりました。以下のStripeの売上レポートでその様子を見ることが出来ます
via 思いついたら、さっさと作れ!
と言っています。リリースからコツコツ続けて約2年で400万超え、奮い立ちますね。
もし自分のサービスで食っていきたいと考えている方は、ぜひとも自分が毎日感じるレベルの課題を見つけることです。そして、自分のなかでベストだと思う解決策を自分のペースで試していけばいいのではと思います。そして、それが自分にとって刺さる課題なら続けられるはずです。続けられれば上記のようにニッチでも刺さる人たちは少しづつ増えてくると思います。
制作に打ち込める環境が、そこにはある
プロダクトの是非は置いておいて、モノを集中して作る環境として、東南アジア圏の特に田舎はおすすめです。なぜかというと、
- 生活コストが圧倒的に安い!にもかかわらず満足度は高め
- 日本特有のストレスから開放される
- 割り込みが少ない
- 自然が多め
という理由が個人的には大きいです。僕(と相棒)は、農業プロジェクトをしていた都合上、ハノイから南へ60km下ったハナム省という片田舎でプロジェクトが終わってもそのままそこで個人開発やお仕事をしていました。地図でいうとこんなとこです。皆さんのグーグルマップ上では、おそらくピン1つたっていないことでしょう。
全然イメージわかないとおもうので、動画と写真で少しご紹介します:
上記の3F部分が我々の城だったとこです。
どうでしょうか、少しイメージ湧いたでしょうか?
街自体が小さいのでカフェの店員や市場、食堂などの地元の人らとすぐ顔なじみになるのも醍醐味です。ここでは、日本みたいに無駄な気を使う必要はありません。エスカレーターも右(または左)に寄る必要はないですし、カフェで思いっきり子供を遊ばせても誰も文句はいいません。なんて言えばいいかわからないですが、日本よりも皆自分の欲望に忠実に生きていて、日本がいかにルールベースな社会かを思い知らされます。最初は、そんな無茶な!と思うかもしれませんが、生活していると徐々に、人々のその自然体な秩序の保ち方が心地よくなってくるのを感じるはずです。
また、日本にいると避けられない物理的な接触を完全に断てるので、残りはインターネットでのコミュニケーション(slackやfacebook、LINE、Chatwork等)が接触ポイントになりますが、それも非同期なのでコントロールしやすいです。
現地では当然ながら日本語は通じないですし、英語もホテル以外はほとんど通じないので、カフェで作業していても隣の女子高生の会話に気を取られることはありません。
こういった理由から、作業に集中しやすい環境が整うというわけです。
もっと写真を見てみたいという稀有な方がいましたら、JellyTalkの公式Instagramにあげてるものの多くは実はフーリー市で撮ったものです。
リモート通訳アプリ【JellyTalk】🇯🇵🇻🇳 (@jellytalk.app) • Instagram photos and videos
生活費について
月の生活費はこんな感じでした:
- 家賃15,000円/月 (2名分)
- 水道: 安すぎて覚えてない
- 電気: 夏はエアコンほぼ常時つけて3 ~ 4,000円/月 (2名分)
- インターネット光回線: 2,000円/月
- SIM代 2,000円/月
- 定食: 250円/食
- 作業用カフェのコーヒー 100 ~ 200円/杯
- 焼き肉 & 鍋食べ放題*4: 1,000 ~ 2,000円/食
- 都会遠征して日本食食う 2,500円/回
※ 2名で住んでいたので、一部2名分の値段になっています
仮に上記金額で1名分で考えて、
- 毎日1食は定食を食い
- 2日に1回カフェへいき
- 週に1回焼き肉&鍋食い放題へいき
- 月に1回都会遠征する
とすると、生活費は月額約3.5万円/人になります。多少変動あったとしても月に5万あればかなり満足度は高くなるのではないでしょうか。今回たまたまですが、3階建ての一軒家を別の日本人家族とシェアして、3F部分を1フロア(2部屋+バス・トイレ)まるっと安く借りられたので、家賃を圧縮できてだいぶ助かりました。
こんな感じで生活コストが異常に低いので、少ないお金でも結構生きていけます。これなら凄腕プログラマでなくとも、少ない仕事量で必要最低限は稼げて、残りの時間で個人プロダクトに集中できる環境が作れます。
注意点とマイナス点
ただこのような生活をするには、制約事項も当然ながらあります。例えばこんな事が挙げられます:
- どの国も大抵、年間半年以上滞在する場合は所得税の支払い義務が発生したりする*5
- ガチの田舎だとほとんど英語通じないし知り合いがいないと物件を探すのが辛い
- 突然の断水や停電やネット断はたまにある
- ローカル飯に飽きる (日本食材/調味料をたんまり買い込んでおくことおすすめします)
- ベトナムの場合、共産国なので夜22時になるとほぼすべてのお店が閉まる
- 日本であるような勉強会や社交場には全く参加できないので、情報収集や刺激を得るのが困難
- 作業に詰まった時、オンラインで相談できる人がいないと問題解決までが長くなりがち
具体的にオススメの場所
と、注意点を書いてておもったんですが、ベトナムの片田舎の事例は難易度だいぶ高めですね(笑)。 難易度低めでオススメできる場所は僕の観測範囲だと、タイ、チェンマイの特に乾季(11~3月頃)時です。
以下2015年に書いた記事ですが、貼っておきます。
田舎...というわけではないですが、大都市でもなく、インフラも充実していて気候も良く、程よいバランスです。 もし僕が会社なんかもってたらここにリモートオフィス作りたいくらいです。
作ったもののシステム的な話
巷にある便利なツールをたくさん使って、パッチワークのように組み合わせたアプリで、いわゆるマイクロサービス的な構成になるかと思います。
機能
大体こういうことができますという機能一覧です
共通
- ウォークスルー
- facebookとemailでのログイン/ログアウト
- push通知受信
- VoIPで音声/ビデオ通話ができる
- クレジットカード登録/編集
- プロフィールの編集
- 履歴表示
- カスタマーサポート
- (ユーザ/通訳)モード切り替え
- 各種設定
ユーザモード
- 通訳一覧/詳細表示
- 履歴表示
- お気に入り登録/一覧表示
通訳モード
- 月稼働実績表示
- 銀行口座登録
- 通訳プロフィール登録
使ったツール
アプリで使っているライブラリ群
相当数つかってます(笑)。みなさん、ほんといつもありがとうございます。
Firebase
使っているのはFlameプラン ($25/月)で、使っている機能は
- Authentication
- Database (Firestore)
- Storage
- Functions
- Crashlystics
- Analytics
- Cloud Messaging
- Remote Config
です。全体的に直感的に扱えましたし、とても楽しく実装できました。 特にすごいなと思ったのが、ユーザのonline/offlineステートをリアルタイムに監視/表示してあげる機能は、これの通りにやってすぐできたのでびっくりしました。
Cloud Firestore でプレゼンスを構築する | Firebase
このアプリの場合、通訳者には報酬の払い出し、ユーザには請求をするため、集計する必要があります。そのスクリプト自体はcloud functionsで書いて、定期実行には、gcpのappengine cronを使いました。無駄に作り込んでますね。
The Firebase Blog: How to Schedule (Cron) Jobs with Cloud Functions for Firebase
あと、Firebase関連の情報は、@_monoさんや、@1amageek さんがとても参考になりました。あとアプリを作って後に気づいたのですが、日本のfirebase user group slackチャンネルもあるので参加しておくと第一線の方々に質問できたり、最新の情報が取得できておすすめです。
Twillio
使っていた機能は、Programmable Video です。僕は20$ごとチャージして使う形にしていました。ただ全然使われていないので実質ゼロ円です。悲しい。
ドキュメントが英語ではありますが割と充実していて、この辺を見ながら進めていた覚えがあります。
GitHub - twilio/video-quickstart-swift: Twilio Video Quickstart for iOS with Swift
詰まったときもこんな感じでgithubでissueをたてるとすぐに回答くれて、懇切丁寧に対応いただけたのでとても助かりました。
Stripe
クレカ決済にしていたので、stripeを使いました。他にも決済サービスありますが、世界的に使われていて、ドキュメントもしっかりしているのでstripeにしました。このアプリはCtoCモデルで、双方に支払い/請求が発生するため、当初はConnectを使いたいと思っていましたが、ベトナムが対応していなかったため見送って、以下のドキュメントに沿って普通に実装しました。できあいのUIがあったので比較的楽に実装できました。開発サーバと本番の切り替えもきちんと想定されていて、実装はしやすかった印象です。
iOS Integration | Stripe Payments
pm2
twilioを使うのに、APIサーバを立てる必要があったのと、アプリのpush通知でも必要だったので、pm2でnodeサーバを管理してます。元々expressでAPIを書いていて、expressのサイトでpm2が紹介されていたので使いました。本番/開発の切り替えやロギングなどをやってもらっています。
あと、CPUのコア数に応じてnodejsのインスタンスを増やすクラスタモードにも対応していたので、採用しました。 PM2 - Cluster Mode
AWS
上記APIサーバはAWSのVPCで囲ったec2上に置いています。 無駄に本番/ステージング/開発の3つ用意しました。 サービスが使われてからにしようと思って、ロードバランサーは使っていません。アラートだけ出して、必要に応じて手動でスケールアップ/ダウンしようと思っていました。
バックアップや監視周り
CloudWatch Eventsを使ってバックアップを取り、 CloudWatch Eventsで毎日EBSスナップショットを自動取得する | DevelopersIO
こんな感じでlambdaで指定期間を過ぎたスナップショットを削除しています。 AMI削除時にスナップショットも自動で削除するCloudWatch Events | DevelopersIO
firebaseの方のバックアップは、開発当時は公式になかったのでnode-firestore-backup-restoreをつかっていましたが、正式に発表されたので、今後はそちらを使えばいいかなと思います。@_monoさんの記事を貼っておきます。
Zendesk
問い合わせ窓口として使おうと思っていたんですが、全然使われてないので宝のもちぐされ状態です..。月々4,000円くらいかかっています。 iOS SDKも用意されていて、それを使うと簡単にチャットで問い合わせ画面ができるので便利でした(微妙にNavigationbarにtableviewが潜り込むバグはありましたが)。
Introduction - Chat SDK for iOS - Zendesk Developer Portal
さいごに
今、ソフトウェアエンジニアは日本では売り手市場で特に困ることはないですが、今後10~20年で考えるとどうでしょうか。不安な方も多いのではないでしょうか。毎年戦時下レベルで減り続ける人口*6、G7の中でずっと最下位の賃金水準と生産性*7、一方で増えていく若い世代の負担...。今のうちにと海外に目を向けるエンジニアも少なくないと思います。
ただ海外となった時、いきなり米国や欧州となるとお金や言語面でハードルが高いと感じることが多いのではないでしょうか。その点、東南アジアの国々は物理的にも文化的にも日本と近く難易度は低いと個人的には感じます。また、就労ビザなども米国と比べると取りやすく、経済的にも今後日本にとって更に重要性がましてくる地域なので、起業志向なエンジニアにはチャンスが多いのではないかと思います。
さいごに、もし海外に出たいとか、日本が生きづらいとか感じているソフトウェアエンジニアがいましたら、フツーのエンジニアでもこんなふうに東南アジアで働きながら個人開発で挑戦することもできるのねっていう一事例として、参考にしてもらえたら幸いです。
もし一歩踏み出したいが、何かきっかけや情報がほしい方がいましたらDMください。
JellyTalkというアプリをリリースしました!
海外で困った時に、気軽に通訳者に通訳を依頼できるアプリをリリースしました!
内容や、作った背景についてはこちらの記事を参照。 mitolab.hatenablog.com
作り始める前は、仕組みは簡単だから2ヶ月くらいでできるかなーと思いましたが、開発以外もクローズドテスト諸々含めて去年の10月末から今年3月末まで、約半年もかかってしまいました。 最前線にいる方は、サクッと1,2ヶ月とかで作ってしまうんだとおもいますが、約1年半開発の現場から離れ、ガチで農業の現場にいたので、再利用可能なモジュールなども時代遅れとなり、結構学習コストがかかってしまいました(開発面での話はどこかでまとめたい)。
ただ一昔前なら、もっとかかっていたのではと思います。メール/facebookログイン, クレカ決済, リアルタイムDB, IP電話, etc... それぞれ便利なIaaSやBaaSが登場したおかげで、こんな私でも比較的楽に1つのソリューションと言えるような形を作り上げることができました。今はAIやチャットBotも素人や浅い知識で設計できてしまうサービスが存在しますし、プログラマが行っている事も徐々にコモディティ化してて、業務のレイヤーがどんどん上がってきているように感じます。
きっとテクノロジの進化はこれからも加速度的に進み、近い将来、いわゆる第4次産業革命によって機械による人間のしごとの代替化がより進み、人のするべき仕事の概念も変わっていくものと思います。そんな過渡期の時代に生き抜いて行かなければいけない世代として、あえてこういった人力によるアプローチを実行に移すことは時代錯誤なチャレンジのように思います。
でも、要は機械と人のハイブリッド化がよりすすむという議論だと思っているので、正しくスクラップ・アンド・ビルドをすれば、最適な形は結局1つに収束していくと思いますし、今は皆模索してる段階なので、現状取り立てて先端的な技術がなくても、何もしないよりは、人にできることは何か、機械にできることは何か、社会実験していけるのはとてもおもしろいのではないかと思いますし、それこそプラットフォーマーの技術やオープンソースを活用することで、すばやくサイクルを回せばより早く最適解にたどり着くこともできるかもしれません。会社員に戻るのも辛いですし。Japanese IKIGAIを感じつつ、生きていきたいです。
ということで、徳嶺氏と一緒に頑張って作った初めてのアプリになります。まだまだ使い勝手の悪い部分とか、なんでベトナム語だけなんだよとかあると思いますが、暖かく見守っていただけると嬉しいです。
それと、僕らには出来ない部分を作ってくれた皆さまにはホント感謝です。
- コール音/着信音を作ってくれた 大学時代の親友、安部氏。
- ロゴを作ってくれた BuckmoonのCDO、ぐちさん。
- ウォークスルーを作ってくれた レキサスのゆーいちろー。
- 通訳者の背景イラストを快く提供してくれた @Léa Poisson。
あと地元沖縄に帰る度に美味いものを食わせてくれて話をきいてくれた島袋さんや、開発中からテストへの協力や、苦しい時にちょっとした開発の手伝い案件をくれた皆さま、まだ全然スタート地点だし、なかずとばずで終わってしまう可能性もあるので、大げさかもしれませんが、1つの節目ということで言わせて下さい、ありがとうございました。
今後は、まず徳嶺氏と沖縄で会社を作って足元を固めつつ事業展開をしていこうと思います。 もちろん農業関連での取り組みも今より割合は減りますが継続する予定ですし、諦めたわけでは無いです。またベトナムにも引き続き定期的に通うつもりです。ただ現状は資金的な体力が非常に乏しいので、あまり多くはチャレンジできません。その辺整えたうえでのぞみたいと思います。
今後も頑張って生きていきます。宜しくおねがいします。
「逆説のスタートアップ思考」が良かった
- 作者: 馬田隆明
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/03/08
- メディア: 新書
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元々、著者である馬田(Umada)さんのスライド(以下)を見ていて、すごいよかったので、重複する部分はあるだろうと知りながらも、値段も700円くらいとお手頃だったので買ってみました。結果すごいよかったです。
www.slideshare.net
※ 他のスライドも東大で実際に利用されている(?)もので、とても勉強になります
逆説っていうと一見間違いだと思われるようだが、実際は真であるようなこと。なので、「スタートアップにおける間違っているようで実は真である」ような事柄を様々な面からやさしく解説した本になります。
例えば、スタートアップは
「他人から見れば不合理なアイディア」や「他人からは悪く見えるようなアイディア」、あるいは「まだ世間的なコンセンサスが取れていないアイディア」を選ぶ必要があります。
と言っています。普通は逆で、他人からみて分かりやすいアイディアがいいアイディアなんじゃないかって思われがちですが、実はそうではないと。なぜならば、
- 合理的に考えられたものは既に頭のいい人に食い尽くされている
- 大企業が気づいても合理的でないので却下される可能性が高い
- 投資家は投機性の高い投資と保守性の高い投資の両極端に偏る傾向がある
というような理由があるからだと、airbnbやgoogleなどの実例や著名な投資家や哲学者の言葉を引用しながら解説してくれます。なるほどな、と思わせられるものが多いです。ただ同時に「悪いアイディアに見えて実際に悪いアイディア」の方が圧倒的に多いから注意しろよな、とも言ってくれていてとても親切です。
社会人にこそ読んでほしい
本書は主にスタートアップップに興味をある人を想定しているとのことですが、私個人的には、これからの日本は効率化が更にすすみ、今まで通りの定型的なことをしていても食えなくなる、もしくは相対的に価値が下がると思っているので、同じような危機感をお持ちの方にとって、生存戦略の一助としてスタートアップ的思考法をこの本でパパっと俯瞰するのに良いのではと思いました。
最後のキャリア論なんかも、大企業の大規模リストラが他人事ではない時代で、どういうマインドセット(月並みにいうと"起業家的な"マインドセット)をもって生き抜いていけば良いのか、みたいなことを書いていたりします。また中小企業において、「なかなか新しいことをさせてくれない」とか、「この職種は自分にマッチしていない」と悶々としている方も、本書ではまずサイドプロジェクトや副業として新しいこと進めればいいよと言っていたり、局所最適解に陥っている可能性もあるから色々試そうぜとか言ってたり、ポジティブな考え方をさらっと伝えてくれるので、気持ちが楽になるのではと思います。
まとめ
私は、しがないアプリエンジニアから、フリーランスを経て、全く畑の違う農業界にガチの現場から飛び込んで、今ベトナムで自身の考える価値を社会にぶつけようと頑張っているところです。特に直近1年はリスクを取りすぎて余裕がなく、考え方が狭くなっていたなと反省しているのですが、個人的にはこの本の内容が「方向性はまぁこれでいいとおもうけど、ただこういうところに気をつけてな、こういうところは大事やで」みたいな感じで、優しく励まされるような感じで脳内変換されて、とても元気づけられました。
家入さんの「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」という本で、
自分を肯定してくれる場所さえあれば、人はチャレンジすることに対する恐れが減る
とありました。ちょっと大げさかもしれませんが、周りにメンターがいなかったり仲間が少ない中、水面下でもがいている人たちにとっては、肯定しつつ助言を与えるという意味で、この本はその場所に代替するような本だなと思いました。
ベトナムの片田舎で約1年間、未経験から農業をしてみての振り返り
今後ベトナムで何かしら農業関連事業を始めようと考えてる方の参考になればと思い、1年間の農業修行の振り返りを書いてみます。
Tl;Dr
事業開始前に、事業内容にフィットする現地パートナーを見つけましょう。
※ 時間が有る方は下も読んでみて下さい。
最初の2,3ヶ月
こんな感じで駆け抜けました。
ベトナムの片田舎で何をしていたのか?
ハノイから60km南に下ったハナム省というところで、約1年間のとある農業プロジェクトに参画しておりました。
そこで、現地でビジネス化するためのフィージビリティ・スタディみたいなていで、日本の栽培技術で作った野菜とベトナムの一般的な技術で作った野菜の比較栽培を行い、収量、見た目、栄養価などにどのくらい差異が出るかという試験栽培を、1000㎡ほどの小さな面積で行っていました。
なぜに農業、なぜベトナムか
なぜ農業かと言えば、元々自然に触れるのが好きだったことと、効率化が進んでいない分野であったこと、自分のスキルセットが活かせるのではと思ったことが大きいです*1。より具体的には、ITx農業のサービスを志しているのですが、それをするにしても使えないものが多いことを知っていたので、じゃあ現場に入ってみたらいいのでは?っていう精神から。
なぜベトナムかというと、農業に関して言えば、ベトナムの立地が良いこと、農業の高度化に力を入れていることが大きいです。それ以外だと、経済成長率も高く、生産年齢人口も多く、今後の成長が見込めること、生活コストが低いこと、あとは食べ物や文化が近いことなども魅力の1つです。
ハナム省について
住んでいるハナム省は、首都ハノイに隣接しており、全人口は約80万人、そのうち農業人口が約60%を占めます。面積は新潟の佐渡島くらいの大きさで、田園風景が広がるベトナム北部ではよくある省のうちの1つだと思います。工業団地もいくつか点在しているので、工業もある程度盛んかと思います。大きなトラックもよく見かけます。
その中心であるフーリー市の雰囲気はというと、特段大きな観光地があるわけでもなく、小さな商店はやたら多い一般的なベトナムの田舎街...という感じかと思います。最近ロッテリアや全国チェーンのホテルやホテルに付属するやや大きめのスーパーができたくらいです。雰囲気はこの動画を参照。
ただ農業の分野においては、ハナム省は、以前から同省内の"ハイテク農業用地"へ入居する企業を積極的に誘致しています。
このように国の首相が直接省に出向いてアピールをしたり、
ハイテク農業向け融資資金の総額を60兆VND(約3020億円)から100兆VND(約5030億円)に引き上げ
via フック首相がハイテク農業発展策表明、融資資金100兆VNDに [経済] - VIETJOベトナムニュース
を行うなどして、農業のハイテク化を推し進めています*2。
また外資企業に対しては、ジャパンデスクなる日本語が話せるスタッフが常駐し、日系企業との窓口となっていることも特徴の1つです。我々もそのスタッフにお世話になりました。
プロジェクトの結果はどうだったのか
プロジェクトの性質上あまり情報開示できないので詳しいことは書けなくて申し訳ないのですが、結果としては、日本で手に入る野菜と同等のクオリティとまではいきませんが、ベトナムのそれと比べると良いものができました。写真などは以下ブログエントリーをみてもらるとわかるかと思います。
振り返ってみて思うこと
野菜栽培について
やっぱり日本は恵まれている。ということに尽きるなと。何をするにしても資材の充実度や質が違います。素材が違えば、出来るものも当然違ってきます。結局いい野菜を作るにはいい素材から、ということを改めて痛感しました。
特に我々が行った無農薬・土耕で栽培するのであれば、
- 良質な堆肥、窒素系肥料、ミネラル、微生物系資材
- 野菜に合わせた土質改善
- グリーンハウスやネット、耕運機、農具系資材の充実
これらはかなり重要です。どの辺が妥協点かは、どういうミッション・ビジネスモデルかによると思いますが、正直、この辺を整えずに生産に挑むと、流通・販売の面でしわよせがくる可能性が高いと思います。
自社で情報もつてもゼロからそれらを調達するのは難しいので、これが1番言いたいことだったりするんですが、信頼のおける現地パートナーを探すのがまず先かもしれません。
生産チーム作りに関して
今回の経験をふまえて、こういう構成なら良かったな、というのが以下です。いかんせん今回は圃場面積が小さかった(1000㎡)ので実際の人数は変わると思いますが、構成は再利用可能かなと思います。
基本は、2の人がワーカーさんへの指示出しとケア、圃場の管理を行い、1の人が適宜2とコミュニケーションを取って進める形がいいのかなと思いました。普通かもですが。できれば2の人は農大卒で技術修得や向上心に溢れた方で且つ女性の方が良い気がします。差別するわけじゃないんですが女性の方が気遣いが出来る方多いのと、ワーカーさんは女性が多くコミュニケーション取りやすいだろうということが理由です。また、後々生産を拡大することや、人材の豊富さを考えると、1と2は英語でコミュニケーションが出来た方が良いと思います。
インフラについて
土地選びはぬかりなく
何回か冠水したんですが、1番ひどかったのは2017年10月中旬、ベトナム中北部で死人が出てしまうほどの記録的な豪雨により、我々の圃場含む地域一帯が半月ほど冠水しました。どのくらいの冠水かというと、畑で釣りや漁をする人が出るくらいには冠水しました。畑で魚を捕る意味がわからないです...。
幸い、試験栽培期間が終了してからの出来事だったので、大事には至りませんでしたが、自主的に行っていた試験栽培の苗はすべてダメになりましたし、倉庫の肥料や資材なども大量に水に浸かり利用不能に。地面はヘドロがたまり、モノが散乱し、すさまじい状況でした。
我々は予め土地を選べる状態になかったので致し方なかったですが、事業として農業生産を始められるならば、当然ながらきちんと土地の高低データを把握してから決めましょう。そこ大事です。
安定供給可能な水源の確保
仮に水路があっても、水質検査は確実に、安全性を顧客に担保するならば、定期的にしたほうがいいでしょう。且つ、安定的に供給されるかも大事です。大きな水源から引かれているか、水門はどこが管理しているかなど、しっかり確認をとりましょう。我々もだいぶ苦労しました。
参考:
via 水資源機構の国際業務の紹介 | 総合技術センター案内 | 独立行政法人 水資源機構総合技術センター
電気・インターネット
我々の場合は、一部センサーでデータ取りをしていたこともあり、圃場にネットを配備していました。たまに家のネットが弱い時なんかは圃場にskypeしにくる、くらいには安定していました。が、電気自体は安定しない...一度近隣で大木の枝を伐採していて、その枝が電線に触れて電気が止まるとかありました。予告なしの停電もあり、微生物培養中にそれがあって、微生物が活性化せずスケジュール遅れるとかもありました。
農業ビジネスをする上でポイントと思われる点
販売方法
ベトナムでは、野菜の値段が安い*3ので、現地の品種で現地の資材で作る分には規模の経済かと思います。ではなく生産物+αで勝負するなら、面積はある程度小さく維持して、品種も資材も厳選してブランドものとして富裕層やホテルにUXを超良くして売るというのは試せるかなと思いました、体験とセットで売ることも考えられますし。でないとただでさえ日系企業や既存のベトナム企業が生産事業をする中で差別化が難しそう...。生産物以外で勝負する選択肢、加工であったり飲食などもあると思うのですが、それはそれで幅が広いので今回はパスです。
資材
あと生産する上で1番困ったのが、資材が圧倒的に足りないよねってことだったのですが、じゃあ資材を自分らで輸入しよう!という風には考えられなかったです。すんごい激安で日本から仕入れられるとか、日本品質の廉価品を大量生産してくれる業者がいてくれればいんでしょうが、価格が高いと現地の農家相手にしても、採算がどうしてもあわないだろうなとか考えるとうーんという感じです。逆に、ベトナムで手に入る資材のデータベース、業者一覧、みたいなのはあったら凄い便利ですね!JETROさんとかが作ってそう。
天気
あと天気。ベトナム北部は本当に天気が悪い!曇りか雨がほとんどで、特に2017年なんかは、夏と感じた日が体感1ヶ月にも満たなかったです。そんな中普通に野菜を作ろうと思っても、結構厳しいものがあります。土地を選ぶという意味では、ベトナムの有名な農業地帯である、ダラット周辺が断然いいと思います(当然いい土地には外資が集中していますが)。土地を選ばないのであれば、品質劣化を覚悟するか、VinEcoがやっているような完全制御の水耕栽培ハウスなどが適しているように思います。初期投資は半端ないですが。もし独自技術や廉価バージョンで価格を抑えられるのであれば、可能性はあると思います。
人
人については、これも生産現場しか見てないのであれですが、圃場に農薬の袋をそのまま捨てる、使い終わった資材は洗わず放置する、ゴミを用水路そばにすてる、カマやハサミといった危ないものも畑に放置してるにもかかわらず裸足で歩いてたりとか、日本の常識には当てはまらない事が多いので、まずは日本のクオリティを望むならその辺の改善からという風に思いました。また生産者は高齢な方が多く、技術的な知識も昔ながらのやり方で、人によっては頑固でこっちのやり方に合わせてくれない人もいたりします。ただ、クワを扱う技術や、竹や地元で手に入るもので農具を自作したりなど、その辺の技術は凄くて、充分な資材の手に入らない状況下ではだいぶ助かりました。実家のおじいちゃんを思い出しました。
流通・販売
流通・販売までしていないのでそれらの裏側的なことは分からないですが、スーパーで売られているものを見る限りは、基本しなびたものや、傷ついたものが多いです。逆に市場は新鮮なモノが多いですが、イメージとして安全性はスーパーより劣るっていう感じです。ヒアリングによると、世代によってどこで買うか違うらしく、若い世代はスーパーで買うことが多く、年配の方は市場で買う人が多いみたいです。
輸送に関しても、VinグループのブランドVinEcoなんかは、自社で冷蔵トラックを契約して自社スーパーまで運んでいるので、品質は良いですが、そうしている所はまだ少ないと思います。あと、ラストワンマイルのバイク便輸送などはかなり雑なものを見かけることが多いので、きちんと作って最後の顧客に届けるまで品質を維持できると、それだけで単価あげられるのではないかと。
ITもしくはIoTで何か改善できる点はあったか?
今回は生産現場にいることが多かったのですが、ぶっちゃけそれ以前の問題すぎてITとかIoTの出番なしというのが本音です。デバイスが悪いとかソフトが悪いとかいうのではなく、まずは普通に良い物が作れて、マネジメントができて、コストに見合うビジネスモデルがあって初めて話題に挙がるものなので。
まとめ
いざ振り返ってみると、現地を良く知る、且つやろうとしているプロジェクトに関して経験の豊富なパートナーと一緒に進めていたらスムーズに行っていただろうなと思います。巨人の肩にのるじゃないですけど、過去に踏んだ轍をまた別の誰かが踏むのは非効率すぎます。ただでさえ共産国における外資は分が悪いので、プロジェクトを始める前にまずはパートナー探しから!
今後について
色々と大変ではありましたが、チームミトミネとしては次のステップとして以下2つを実施中です:
- ベトナム農業メディア
- 通訳アプリで食えるようになる
1に関しては、単純に情報を知っていれば回避できた問題や改善できた事(それこそ資材リストを作るとか)は色々あるなぁと思い、そういう損失をなくして行きたいというのと、農家さんへのインタビューや訪問なども考えているので、そこで横のつながりを作れれば面白い連携もできるんじゃないかなとも考えていたりします。
2に関しては、我々が1年間滞在してみて実際に感じた課題から作ってみたものです。自動翻訳なデバイスも結構出てきてるご時世ですが、今時点ではまだ人力に優位性があると思うので、時代に合わせつつハイブリッドな形を目指してみたいなと模索中です。また農業で使える仕組みにもできるかなと考えていたりします。
以上、引き続きがんばっていきます!
このご時世にあえて東南アジアで人力の電話通訳サービスをはじめようと思った理由
今、こんなアプリを開発しています。
海外で困った時に、プロの通訳者に通訳を依頼できるアプリです。
はじめようと思った直接的なきっかけ
僕ら自身がペルソナ
注)僕ら
去年約1年間ベトナムの片田舎で某農業プロジェクトをしていた際に、お金が無くフルタイムの通訳さんを雇えず、通訳さんによく電話で通訳を依頼していたことが元々のきっかけです。
ベトナムは、首都のハノイや中部の観光地ダナン・ホイアン、外資進出の進む南部のホーチミンなど、外国人の多いところでは英語が通じるホテルやお店が多く、外国人でも英語が話せれば特に不自由無く暮らすことができます。IT系などの英語でコミュニケーションがとれるビジネスなら英語で完結できる可能性も大きいです。
が、ひとたびローカルに足を踏み入れると本当に英語が通じなくなります。僕らが住む街もハノイから60km離れた片田舎で、これといって特別な観光地があるわけではないので、外国人自体が少なく、英語や日本語を喋るローカルの人は珍しいです。
英語メニューのあるレストランであっても、店員が英語が喋れるわけではなかったりするので、最低限のベトナム語を知っていないと注文ができないこともままあります。
飯くらいならまだ失敗してもいい思い出ですが、例えばそこに住むと想定した場合、電気・水道・ガス・ネットなどのインフラ面はかなり難易度が高いですし、住まずともちょっとしたビジネスやトラブルの場合も、ジェスチャーじゃ全然足りない情報量なので、英語が通じないのは致命的です。
(余談) 具体的なターゲットとして、アウトバウンドだと、僕らみたいなフリーランスとかノマドの人、ローカルな旅行をしたい旅行者がターゲットです(駐在員の方は待遇が比較的良いので、常駐の通訳さんや英語圏内で生活できるので困らないことが多い)。インバウンドだと、日本に買い物にいくベトナム人がターゲットです。最近はこんなデータもあります。が、傲慢にも自分らがターゲットだーとか思ってユーザヒアリングを後回しにしてしまい、今テストユーザーさんが集まらずちょっと後悔しています..。
子育て中でも働きたい通訳さん
1年もベトナムにいると、色々な課題が目に留まるので、今の通訳サービスではなく、これいんじゃないかっていうアイディアを思いついき、とある通訳さんのご自宅を訪問してそのサービスの課題インタビューをしました。
そこでたまたまこんな言葉を耳にしました。
「今は産休で外に働きには出れないから、家でできる翻訳の仕事をしている。でも旦那の稼ぎだけでは辛いのでできれば私ももっと稼ぎたい」
と。
この言葉は妙に覚えていて、後に、僕らがそもそも持っていた困っときは通訳さんに電話通訳を依頼したいというニーズとマッチするのでは?と気付き、改めて別の通訳さんに、「リモート通訳アプリってどう?」と話をしてみたところ、すこぶる感触が良かった。
ということで、まずはwebサイトを作って、通訳さんを募ったところ、一時募集をストップせざるを得ないほどの応募がありました。応募してくれた通訳さんには片っ端から面談で日本語レベルをチェックさせてもらい、軽くヒアリングでどうして使いたいかなどを聞いていきました。
結果、産休という理由だけではなく、日本で看護の仕事をしている方が、日本の仕事はきつすぎるのでベトナムに戻って日本語を活かして通訳として働きたいとか、純粋に困っている人を助けたいとか、パラリーガルをしているが通訳としても仕事をしたいとか、いろいろな専門性を持った人が色々な理由で通訳の職を求めているということがわかりました。
なんにしても共通してるのは、皆すごい勤労意欲を持っているってことです。
このご時世への反論
自動翻訳アプリでええやん説
よく反論として、「自動翻訳アプリがあるやないか」と言われるのですが、それが"全然"ではないですが思ったほど役にたたなかった..。
当初は、お金がなかったのでそれこそグーグル翻訳などでなんとか頑張っていましたが、通じる時もあれば全く通じないときもある。傾向としては1センテンスくらいの単純なことはなんとか翻訳してもらえますが、それ以上のことになるとキョトンとされることが多かったです。その度に、最終的には通訳さんに電話をして伝えてもらう、ということをしてたので、結局は私達の中ではグーグル翻訳には頼らず、いきなり通訳さんにかける、という解決策に落ち着きました。
ある一定レベル以上の通訳さんであれば、電話ごしに内容を伝えて通訳してもらうとほぼ100%相手に伝わるし、会話のやり取りもスムーズだしでかなりUXが良いです。心理的に相手もこちらも安心してしゃべれるというのも大きいです。
ついでにいうと、自動翻訳アプリだと、ローカルの方(特に年配の方)は「これは何?」っていう顔をされて、うまく使い方を理解してくれないこともありました。でも電話の場合は、スマホの画面をみせると、「あ、電話ね」って理解してしゃべってくれました。
今後AIがより発展するんだから通訳者いらんやん説
端的にいうと、現段階ではリアルな通訳者は必要だと思いますが、部分的/段階的に置き換わっていくのは時間の問題だと思います。でも、じゃあそれによってあぶれる人たちはいったいどうすればいいの問題が浮上しませんか?と思うのです。
個人的にはAIというか非効率的な仕事が効率化されていくみたいなイメージです。それらによって、少しづつ採用人数が減っていき、単純な仕事しか出来ない人から仕事が無くなっていくのではないかと..。著名人の言葉を借りると、
あるところにアリとキリギリスがいました。夏の間キリギリスは好きなことをして遊び呆け、アリは冬に備えてコツコツ働き続けました。冬になったとき、キリギリスはやっていた遊びがビジネスになり大金を手にしました。一方でアリは時代の変化に取り残され職を失い、とうとう破産してしまいました。
— けんすう (@kensuu) 2017年6月17日
「通訳がAIに置き換えられそうなのでプログラミング勉強します」そういう問題なのか?(プログラマはなぜAIに置換されないと思ったのかという論点もあるが)職種が置換されるかというよりその職業はどうAIによって強化されうるかなのでは?
— Jun Rekimoto : 暦本純一 (@rkmt) 2018年1月3日
こういう世界が今後より現実的になってくるのではと思っています。
これは特段日本に限った話ではなくて、ベトナムも出生率が下がり続けていて、生産年齢人口も徐々に少なくなるみこみです*1ので、ゆくゆくは日本と似たような状況になっていく可能性が高いのでは?と懸念しています。寧ろ、日本や先進国*2で開発された技術が、国の規制がゆるい東南アジア各国で導入されると、変化が激しい可能性が高いと思っています。そうなると、いきなり職にあぶれるとかいう人も多数でるかもしれません。
ということで、そういう変化を少しでも段階的にしつつ、機械より優れていて、人がやっていてほしい、または人がやっていて楽しいと思えるお仕事を提供して、機械とは共存していければいいのではと思っています。そういう風にアプリも育てていきたいなと思っています。
日本は今若い人ただでさえ少ないんだから海外に逃げるな説
確かに、日本は世界で最も早いスピードで高齢化が進み、失われた世代の若者に対する負荷と責任が大きくなってきています。そこが逆にビジネスチャンスだったりもしますが、だからといって海外にでない理由にはならないのではと思っています。逆に、国境間で起きている問題は海外にでて実際に体感することで危機感をもって取り組めたりもすると思います。
例えば、一時期ガイアの夜明けで取り上げられた外国人研修生制度問題。これは現代の奴隷制度ともいわれていて、僕らも農業の現場で目の当たりにしているので、本当に改善したいと思えました。
この制度は(政府がどう言っているかはともかく)、ざっくりいうと、日本に出稼ぎに行きたい途上国の人と、とにかく安い労働力を求める日本企業をマッチングするサービスで、ぱっとみwin-winの様に見えますが、中間業者のマージン異常に高すぎ問題や、給料未払い/異常に安いとか、差別とか、失踪問題とか、ときには犯罪を犯したりして企業側も困るとかで問題頻発です。
ちょっと過激な言い方をすると、日本国内の労働人口が少なくなっているのに今までの暮らしを維持しようとして、その分のしわ寄せを、とにかく労働単価を安くおさえないと商売が成り立たない1,2次産業レイヤー企業と、海外の安い労働力に担ってもらっているとも言えるのではと思います。
では、改善の方向性としてはどうしたらいいのかということですが、
日本には、生産性上昇率の改善と、より多くの外国人労働者という組み合わせが必要
というような、組み合わせになると思っています。落合先生的にいうと、
日本の未来は明るくできると思うし,人口減少は人類史上稀有なチャンスだと思うんだよね.だから今はいかにして刷り込まれた知識をポジティブに更新して皆で行動していくかが大切だって俺は思うんだ…と,いつも思ってることを「いらすとや」のイラストで表現しました.テクノロジーを発展させないと! pic.twitter.com/tkzRFvUs0h
— 落合陽一/Dr.YoichiOchiai (@ochyai) 2017年5月13日
こういうことだと思います。
そんな中、落合先生みたいに取り立ててハイパーなスキルを持たない僕らにできることとしたら、リモート通訳アプリを通じて、ベトナム国内で少しでもスキルを持った人が日本に行かずとも、自国で充分食っていけるようにすることであったり、日本に出稼ぎにいっていても、その仕事だけではなく空いた時間で少しでも稼いでもらえるようにすることや、今後増えるであろう国内に住む外国人との窓口になったりして、少しでも不幸な状況を改善できればいいのではと妄想したりしています。
さいごに
以上がざっくりとした理由になります。もし共感してくれる方がいたのであれば、シェアとか実際にテストユーザーになって使ってみるとかしてほしいです!まだまだ挙動は安定しないかもですが..><。テスト期間中は無料でお使いいただけます(通訳さんには報酬をお支払します)ので、よろしければ是非〜。